VOID RENTAL / TRAVEL DEPT. Itinerary No.0509
Issued 2026.05.07
ATAMI ・ DIAMOND ・ DOGS


程帖

05.09 — 05.10

昭和の温泉地、相模湾の白浪
花街の褪せた紅と、自然薯の山の匂い。
数寄者の眼差しで歩く、
二日間の奇譚

Departure
自由が丘 08:30
Stay
ISHINOYA 熱海
Mode
電車 / タクシー
Day 1 Theme
山の幸と
夜の街
自然薯・あんバン・妓楼建築
Day 2 Theme
名作と
キモ可愛い
国宝美術 → カオスの楽園
Distance
約 220km
往復電車+タクシー
Spots
9 stops
食 4 / 観 4 / 宿 1
DAY ONE

FIVE / NINE / SATURDAY 五月九日 土曜

山に登り
夜に降りる
08:30
DEPARTURE 自由が丘駅 出発
東横線特急で横浜 横浜→新幹線こだま 所要 約75分
10:00
ARRIVAL / TAXI 熱海駅 着 → 麦とろへ直行
タクシー15分 湯河原寄り 国道135号沿い

開店11:30の1時間前に到着するのが鉄則。 土曜は週末客で行列が伸び、開店15分前で15組待ち、12時前到着で50分〜2時間待ちの記録あり。 先頭付近で並べば窓際の絶景席を確保できる確率が高まる。

11:00 並び開始
MUGITORO WARABE 自然薯処 麦とろ童子
熱海市伊豆山郷清水210 11:30開店 ★★★★½(878件)

1960年の古民家を改装した、相模湾と真鶴半島を借景とする隠れ家。 名物店主の英語混じりテンプレ漫談と、北海道産いくらや黒毛和牛ローストビーフを合わせた変則とろろ群。 名物「ビーとろ(2,200円)」「いくらとろろ丼(3,290円)」「赤のとろろ(明太子・2,080円)」、 蟹汁が標準で付く。

注文は壁メニューから。店主が NO.1〜3 を熱弁してくれるので任せても良い。 リピーターは裏メニューの「サーモンとろろ」を頼むと玄人扱いされる。
自然薯(じねんじょ)は栽培困難な日本固有種。 縄文遺跡から痕跡が出る古い食材で、すりおろした時の粘度は栽培長芋の約3倍。 山に登って掘る労力が値段に乗っている、とも言える。
午後 13:30
ATAMI BUTTER AN 熱海ばたーあん
俵本町5-11 10:00–18:00 熱海駅徒歩3分

静岡の老舗「又一庵」謹製。 発酵バターと粒あんをパンに挟んだ、近年の熱海土産の代表格。 列はあるが回転が早い。 その場で1個食べるのが正解(時間が経つとバターが沈む)。

午後 14:00
ATAMI SATORI 熱海さとり本店
銀座町10-16 10:00–18:00 ★★★★¼(186件)

抹茶ソフトと抹茶クレープが名物。 銀座町の中心部、熱海銀座商店街にあり、 桜(サクラ)×抹茶の季節クレープなどシーズン限定が出る。 並びは10〜15分程度、回転は速い。

午後 14:30
ATAMI FRUIT KING 熱海フルーツキング
渚町1-2 10:00–17:00 テイクアウト専門

熱海サンビーチ沿い。 サンビーチゼリーは海をモチーフにした青いゼリー。 フルーツサンドや生ジュースもあり。 ここまでで甘味3連発になるので、状況によって1つに絞っても可。

15:15
RETURN / TRANSFER 熱海駅 改札前へ集合
15:30 旅館送迎バス出発 遅刻厳禁
ISHINOYA ATAMI ISHINOYA熱海/石のや 熱海

パサニアホテル27階。全室オーシャンビュー、相模湾と初島を望む高台の和モダン旅館。 半露天浴場「天空」と貸切風呂「蒼」、屋上「星空テラス」あり。 素泊まりプランなので、入浴と仮眠の後、再び熱海駅周辺へ。

Address
熱海市熱海1739-35
パサニアホテル27階
Check Out
翌朝 10:00
Bath
半露天 15–24時
朝風呂 6–10時
SPECIAL / THE GEISHA HOUSE REBORN

18:30 ・ ヨルノアタミ

中央町の歓楽街に残る築70年の妓楼建築「旧つたや」。 建物の所有者変更を機に再生プロジェクトが立ち上がり、その1階に夜だけ灯る雑貨店として開いたのが此処。 熱海にまつわる古書、色街写真家・紅子の写真集、夜の街のスナックやバーの情報が集約された 「夜の街の案内所」を兼ねている。 営業は金曜・土曜・日曜のみ。土曜は12:00〜20:00。

建物そのものが文化財級。壁面にうっすら残る屋号、内部の非日常的な装飾、 2階のイベントスペース——昭和の色街の記憶が残る稀有な空間。 ヴィヴィアン・ウエストウッドのSEXショップに通じる、 後ろ暗さを商品化する美学がここにもある。

アクション:店主の高須賀さんに「近所で晩飯を食えるところ」と訊く。 この店は近隣の居酒屋・バー・スナックの情報発信を看板に掲げており、 これ以上適切な情報源はいない。 名所より一段深いお薦めが出てくる可能性が高い。 買い物(紅子の写真集など)も忘れずに。
DINNER / NIGHT WALK
19:30 店主推薦
DINNER / TBD 中央町〜銀座町 夕食

ヨルノアタミの店主に教わった店、または近隣を歩いて決める。 目星の候補は Tokinosakana(時の魚/渚町、女性料理人による魚介懐石)魚屋清介(銀座町、落ち着いた魚屋ベース居酒屋)魚屋食堂 本店。 ヨルノアタミから徒歩5〜10分圏。

素泊まり=旅館で夕食なし。タクシーで戻る前に必ず食べておく。 深夜帰館でも温泉は24時まで入れる。
22:00
RETURN TO HOTEL / ONSEN 旅館へ ・ 半露天「天空」と星空テラス
タクシー10分 大浴場〜24:00 屋上テラスで初島を望む
DAY TWO

FIVE / TEN / SUNDAY 五月十日 日曜

名作の朝
カオスの午後
09:00
MORNING BATH 朝風呂 → 屋上テラス
朝風呂 6–10時 屋上「星空テラス」

海を見ながら朝風呂。チェックアウト10:00に向けて荷造り。 ヨガマットの貸出があるので、テラスで身体を目覚めさせるのも良い。

10:00
CHECK-OUT / TAXI 石のや熱海 出発 → MOA直行
タクシー10分 「MOA美術館バス停側入口まで」と指定
午前 10:30 国宝
MOA MUSEUM OF ART MOA美術館
桃山町26-2 9:30–16:30 / 入館16:00まで ★★★★¼(6,517件)

熱海の高台、約23万㎡の瑞雲郷に建つ東洋美術の殿堂。 国宝3点(尾形光琳「紅白梅図屏風」、野々村仁清「色絵藤花文茶壺」、古筆手鑑「翰墨城」)と 重文67点を含む約3,500点を所蔵。 豊臣秀吉ゆかりの「黄金の茶室」復元、能楽堂、 表千家・千宗左の樂吉左衛門作品なども見どころ。

2017年の改修で、現代美術作家・杉本博司と建築家・榊田倫之が主宰する 「新素材研究所」が展示空間を設計。 屋久杉、行者杉、黒漆喰、畳など日本の伝統素材を用いつつ、 無反射ガラスで展示物との距離感を消した、世界的にも稀有な美術館空間。 杉本博司の数寄者の眼差しが空間そのものになっている。
所要約2時間。館内カフェ・茶室「一白庵」で軽食もとれる。 相模湾と初島を一望するムア広場、桜・紅葉の時期は庭園が見もの。 この旅で唯一の「国宝に触れる時間」として、急がず歩くこと。
12:45
TRANSIT TO IZU-KOGEN 熱海駅 → 伊豆急 伊豆高原駅
伊豆急行で約45分 車窓は相模湾と城ヶ崎海岸 昼食は車内で駅弁推奨
午後 13:45 カオス
MABOROSHI HAKURANKAI まぼろし博覧会
伊東市富戸梅木平1310-1 9:30–17:30(春分〜秋分) 大人1,400円 ★★★★¼(1,242件)

総合出版社「データハウス」の社長・鵜野義嗣がプロデュースし、自ら「セーラちゃん」として館長を務める私設テーマパーク。 閉園した熱帯植物園「伊豆グリーンパーク」跡地、敷地面積は東京ドームのグラウンド級。 象徴的展示は全高11.5メートルの聖徳太子像(大仏を改造して作った、購入費2,000万円)、 鳥羽の元祖国際秘宝館の人形群、魔界神社、昭和遺物の異種混淆。 コンセプトは「キモ可愛いパラダイス」。

NHK「ドキュメント72時間」(2022年)2022年ベスト10入り。 ジャーナリスト田原総一朗、きゃりーぱみゅぱみゅ、東海オンエア、都築響一らが訪問・特集。 都築響一が「TOKYO STYLE」の延長線上に位置づけたB級スポットの聖地。 ヴィヴィアン・ウエストウッド的な「下品さの権利」を体現する場所、と捉えると見方が変わる。 全エリア撮影OK、SNS投稿歓迎、コスプレ入場可(更衣室あり)。
所要1.5〜2時間。マスク推奨(埃多め、夏は灼熱、冬は極寒、雨の日は雨漏りが「体験」として組み込まれる)。 現金のみ。駐車場無料。再入場可。
午後 15:45 姉妹館
WEIRD MUSEUM OF BOYS & GIRLS 怪しい少年少女博物館
伊東市富戸街道下1029-64 9:30–17:00 ★★★★(851件)

まぼろし博覧会の姉妹館。同じくデータハウス系。 昭和レトロのおもちゃ、人形、ファッション、サブカル雑誌、駄菓子屋什器などを 私設コレクションとして展示。 別棟の「夜の学校」は本格お化け屋敷で、これが裏のメイン。

まぼろし博覧会が「秘宝館の系譜+宗教カオス」だとすれば、 こちらは「昭和ノスタルジア+怪奇趣味」。 『八画文化会館』で都築響一が「日本の裏の観光資源」と呼んだ伊豆B級スポット群の核。 二つを連続で訪れることで、データハウスというカルト出版社の世界観—— 表に出ない記憶を蒐集することそのものが文化批評になる、という思想——が立ち上がる。
所要1〜1.5時間。 まぼろしから車(タクシー)で約10分、徒歩なら20〜30分。 帰りは伊豆高原駅まで店員にタクシーを呼んでもらえる(口コミ多数)。
17:30
RETURN / HOMEWARD 伊豆高原駅 → 熱海 → 自由が丘
伊豆急→新幹線または踊り子号 所要 約2時間 夜には自由が丘着

特急「踊り子」が伊豆高原駅から東京方面に出ていれば乗換が一回減る。 熱海乗換にすれば本数が多く融通が効く。 途中駅で買った夕食を車内で開けるのが旅の終わりの儀式。

APPENDIX

PACKING / CHECKLIST 持ち物

ESSENTIALS

  • 現金(まぼろし博覧会・伊豆極楽苑系は現金のみ)
  • クレジットカード/IC
  • スマホ充電器
  • 旅館予約確認・送迎時間メモ
  • 常備薬

WEAR

  • 歩きやすい靴(伊豆高原は坂道)
  • 軽い羽織もの(朝晩冷える)
  • 替えの靴下
  • 麦とろ童子は座敷席(タイトボトム不向き)

OPTIONAL

  • マスク(まぼろし博覧会は埃多め)
  • カメラ(撮影OKのスポット多数)
  • 大きめ折り畳み袋(土産用)
  • 本/ヘッドホン(移動が長い)
  • ヨガマット代わりのタオル(屋上テラス用)

WEATHER

  • 折り畳み傘
  • 5月の熱海平均:日中22度/朝晩15度
  • 海風で体感温度下がる